事業承継(親族内承継)
■事業承継とは
事業承継とは、会社の経営を、後継者に引き継ぐことをいいます。
事業承継には、親族内承継、第三者(従業員等)への承継、M&A等の社外への引継ぎ等の類型があります。
このうち、親族内承継については、特に中小企業においては後継ぎとして親族に事業を承継することが多いこともあり、一般的にも馴染みのある類型だといえるでしょう。
■親族内承継のメリット・デメリット
親族内承継のメリットとしては、まず、後継ぎを親族が担うため、特に中小企業においては従業員らに後継ぎとなる人の顔が知れていることも多く、受け入れられやすいといえます。
また、後継者を早期に決定しやすく、後継者の教育に時間をかけることができます。
もっとも、デメリットとして、親族内に経営能力と意欲を併せ持った人がいない場合には、この方法を採ることはできません。
また、相続人が複数いる場合には、相続争いにつながる恐れもあります。
■親族内承継の方法
親族内承継については、相続による承継、生前贈与による承継、売買による承継等の方法が考えられます。
・相続による承継
経営者が遺言等によって親族に会社に関係する資産や株式等を承継する旨を明らかにし、死後に相続によって事業を引き継ぐ方法です。
相続税は贈与税に比べ基礎控除額が大きいため、生前贈与の場合に比べ節税が見込めます。
・生前贈与による承継
経営者が生前に、会社の資産や株式等を後継者に譲渡しておく方法です。
少しずつ段階的に贈与することで、手間はかかるものの節税が見込め、また税金の納付も小分けになるため負担が小さくなるといえます。
・売買による承継
経営者と後継者との間で売買契約を結ぶ方法です、後継者が経営者に事業譲渡の莫大な代金を支払う必要があるため、あまり用いられていない方法です。
このように、事業承継には様々な方法があり、会社の規模や後継者の立場等、多くのことを考慮して最善の方法を選択していくことになります。生前に手続きが必要な場合もありますから、早期に検討しておくことが重要です。
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